リニアモーターカー開通に対するJR東海と静岡県との対立=リニア静岡問題がいっこうに解決の糸口を見ません。
この記事では、
ということを調べてみました!
リニアモーターカー静岡問題とは?
リニアモーターカーはJR東海が民間事業として建設する鉄道事業です。
そのスピードは時速500㎞。新幹線の約2倍の速さで、東京・名古屋間約40分、東京大阪間約67分で走行できるといわれています。
そんなリニアモーターカーですが、その着工をめぐり静岡県知事である川勝平太氏とJR東海の主張が対立。
しばらく膠着状態が続いており、ついには2023年3月にJR東海が、もともとの開業予定である2027年の開業は遅れると発表しました。
これがいわゆる”リニア静岡問題”です
リニア静岡問題はなぜ起こっている?
リニアモーターカーが通る東京~名古屋~大阪間のルートは、その大半がトンネル構造です。
静岡問題の根本的問題と言われているのは、リニアのルートが通る南アルプスでそのトンネル工事を行うことで、県中西部を流れる大井川の水量が減少するという「水問題」。
南アルプスのトンネル工事を行うことで山から大井川へ流れている水の一部が下流へ流れなくなり、その量が「毎秒2トン」といわれています。
トンネル工事によって、以下のような影響が考えられると静岡県は主張しています。
・大井川の水量減少によって、取水制限の日数が増える懸念。
・南アルプスの生態系の維持ができなくなる懸念。
・トンネル工事で発生する”土”の置き場と、それによる地域環境への影響する懸念。
実に10年近くJR東海と静岡県が議論してきたが、いまだにまとまっていないのが現状です。
リニア静岡問題のこれまでの展開
リニア静岡問題は簡単に言うと、静岡県知事の川勝平太氏 VS JR東海の対立問題です。
これまでどのような攻防が行われてきたのか。簡単にまとめてみました。
2017年4月
川勝県知事が「トンネル工事で出た湧水全量を大井川に戻す」ことを求める意見書をJR東海に提出。
2017年10月
静岡県が着工の反対を本格的に主張
「静岡県には何のメリットもない。静岡県民に誠意を示す姿勢がない。地域振興なり、地域へのメリットがあるのかといった、基本的な考え方がないのならば、勝手にトンネルを掘りなさんな」と川勝知事発言。
2018年6月
金子慎JR東海社長が静岡市を訪れ、田辺信宏静岡市長と「リニア建設への協力と地域振興」に関する合意書を結ぶ。
これに対し、寝耳に水の川勝知事は激怒。
2018年10月
JR東海は「原則的に県外に流出する湧水全量を戻す」と表明、これで問題は一気に解決するとみられた。
2019年8月
JR東海は「工事期間中の湧水を全量戻すことはできない」として、湧水の一部は、山梨、長野両県に流出することを認めた。
全量戻しは利水者の賛同を得るための“方便”であり、「できもしない約束だった」ということで、静岡県はさらに硬化。
2020年4月
金子JR東海社長が「南アルプスの環境が重要であるからといって、あまりに高い要求を課して、それが達成できなければ、中央新幹線の着工も認められないというのは、法律の趣旨に反する」等、静岡県及び知事を批判する発言。
川勝知事が猛反発をし、金子社長が発言を撤回し謝罪。
2020年6月
金子社長は初めて静岡県庁を訪れ、川勝知事に面会。トンネル本体工事に向けて、準備工事再開を要望。川勝知事は地元の理解が得られないとして、県条例の運用、解釈拡大によって、準備工事再開を認めなかった。
2023年5月
川勝知事がJR東海に対し、山梨県内でのボーリング調査の停止を求める。その際「静岡県の水が流出する懸念がある」としたため、流動的な地下水を「静岡の水」と所有権を主張する発言に、反発や困惑の声が上がった。
2023年12月
JR東海は開業時期を「2027年」から「2027年以降」に変更することを決定し、国土交通省の認可を得る。
それを受け、川勝知事が「品川―名古屋間の開業目標がなくなったので、できるところから開業すればいい」と”部分開業”論を展開。
このように静岡県としての主張も展開する中で、川勝知事の発言に対し、世間から疑問や批判が起こることもあり、静岡県がリニア開業を妨害しているとの意見も出ています。
静岡県民の声は?
それでは、実際に静岡県民はこの問題に対しどう思っているのか調べてみました。
確かに静岡は通るだけで、リニアの恩恵は受けづらい。それに対し環境や水源のリスクがある。という意見ですね。
この方は反川勝知事みたいですが、県全体としては知事支持の空気感が出てるとのこと。。。
主張は知事個人のものではなく、大井川水系を抱える地域住民や県民の意見を踏まえているらしい。
川勝知事の支持不支持はともかく、やはり県民として大井川の水量減少をはじめとした環境問題は深刻なようです。
こちらも県民として水問題を心配する声です。
こちらは、知事の発言を勝手な解釈として、それを報道する地元メディアに対しても批判する内容。
シンプルにリニアが必要だという静岡県民もいました。
静岡問題今後の展望とリニア開業について
以上、リニアモーターカー開業をめぐるJR東海と静岡県(知事)の”静岡問題”をまとめてみました。
静岡県民の意見はもちろん、まだまだいろいろな意見があると思います。
冒頭にも書いたように、2024年1月現在、静岡問題は解決の糸口が見えていませんが、先日、生態系への影響など47項目の懸念について、静岡県が具体的な解決策を示す会見を開くことが分かりました。
この具体的解決策を通し、議論が進められてこの問題が進展することが望まれます。
今後も注目していきたいですね。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
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